Presented by サッポロビール株式会社

「ごみ芸人」プチブレークのマシンガンズ 清掃員体験から本、お笑いも

※本記事は2020年2月9日に朝日新聞デジタルで掲載されました。

「キレ芸」を売りにしたお笑いコンビ・マシンガンズ(太田プロ所属)の滝沢秀一(43)が「ごみ芸人」としてプチブレークしている。現役の清掃員として出したごみ関連の本3冊が計約10万部を売り上げた。これが講演やテレビ出演につながり、コンビでのお笑いの仕事も増えつつある。

マシンガンズは、東京出身の滝沢と、俳優としても活動する札幌出身の西堀亮(45)のコンビで結成22年目。M―1グランプリで2度準決勝に進んだが決勝には残れず、「売れるところまではいかなかった」。

お笑いの仕事が減っていくなか、2012年に滝沢の妻が妊娠。元芸人の知人から聞いたごみ回収の清掃員で収入を得るように。朝から夜まで走り回るきつい仕事。出勤前には大皿に山盛りご飯2杯のカレーを食べる。浴びるように水を飲み、塩をなめ、昼にも大量の白米を食べても痩せてしまったという。仕事を終えてからのお笑いライブはふらふらで「惰性で漫才をする状態」。それでも、相方の西堀は「収入が必要なのはわかっていたから、口は出せなかった」と振り返る。

転機は、滝沢がツイッターでつぶやき始めた「ごみ清掃業のあるある」だった。どうせなら、ごみを回収しながら面白いことを探そうと始めた。「雨が降った朝のダンボールは水を吸っていてコンクリートのように重い」。実際に働かないとわからないようなつぶやきで、同じ事務所の先輩でテレビで活躍する有吉弘行らに絶賛されて注目が高まった。

ツイッターのつぶやきを中心に書籍化が決まる。ごみの状況にみる貧富の差など、ごみから世相を読み解くなどした著書「このゴミは収集できません」(白夜書房)を18年に出版した。この話を元に妻と漫画にした「ゴミ清掃員の日常」(講談社)、子ども向けのクイズで分別を学べる「ごみ育」(太田出版)が続き、「ごみ芸人」の地位を確立。テレビや講演でごみの分別の注意点や「ごみ回収あるある」などを話す機会も増えた。

滝沢秀一の清掃員経験から生まれた本

お笑いコンビとしての活動も増加。滝沢が企業で環境問題についてまじめに1時間講演した後、30分のお笑いのネタをやるなど、環境問題に関係した仕事が増えているという。滝沢はいまも週2回はごみを回収しているといい、「本業が清掃員と俳優のコンビ」とうそぶく。

西日本では、昨年4月に始まった岡山放送の50周年企画の環境情報バラエティー番組「Re:SETO」でリポーターを務めている。笑いをとりつつ、視聴者の環境問題への意識を高める役を担う。番組は岡山県と香川県で第4土曜午後3時から放送。過去回の大部分は番組ホームページから視聴できる。(後藤泰良)

この記事をシェア

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

SHARE

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

オススメ記事
RECOMMENDED

↑TOPへ