Presented by サッポロビール株式会社

40代のパパデビュー 蝶野正洋さんに聞く

※本記事は2015年7月6日に朝日新聞デジタルで掲載されました。

◇MOM’S STAND(マムズ スタンド)

プロレスラーの蝶野正洋さん(51)は、9歳の息子と5歳の娘がいる。夫婦ともに40歳を過ぎてから授かった。子育てまっただ中の50代、人生経験を積んでから親になった今の思いは。

ドイツ人の妻マルティーナさん(50)と出会ったのは、新日本プロレスに入門し、海外修行をしていた20代のときだった。ドイツでのパーティーで酔いつぶれ、介抱してもらった縁で、1991年に結婚した。

蝶野正洋さん

■結婚15年目で

長男が生まれたのは、結婚15年目だ。自身が42歳、妻は41歳だった。それまでも子どもは欲しかったけれど授からず、妻と始めた会社が「子どものようなもの」と思ってきた。妻が40歳になった頃、やっぱり子どもが欲しいと不妊治療を始めた。

出産に立ち会った。「産声は今でも耳に残っています。感動しましたよ」。2人で涙を流した。

赤ちゃんを抱っこするのは、ほぼ初めて。様々な経験を重ねていても、知らない世界が待っていた。

「恐怖心がありましたね。赤ちゃんと2人だけの外出に」

家の中では、抱っこもおむつ替えも、少しずつできるようになった。でも、2人での散歩は「30分で帰れる場所」。外出先で男性がおむつ交換をできる場所は少なかった。「公園に行って、泣かれておしめ交換となったら、こっちが震え上がる感じでした。あたふたしちゃって」

今は、朝は息子を小学校に送り出し、娘を幼稚園の送迎バスの集合場所まで連れて行く。妻は日本語の読み書きが大変なので、入園入学の手続きや準備は「俺が担当です」。

子どもが普段と違うと感じたら、とにかく話を聞く。「集団生活の悩みは、子どもにもある。成長に必要な過程だけれど、そのストレスを親がわかるだけでも違うと思う」

プロレスラーとしての体力と、育児に使う体力は「別物」という。

プロレスの興行では、試合に心身のピークをあわせ、夜9時ごろに試合が終わると、食事をして、午前4時ごろに寝ていた。しかし、子育てでは、特に子どもが小さいときは常に目が離せない。夜中も起きてミルクをあげる。成長しても、朝早くから公園で遊んだり散歩したり。「子どもにあわせて朝型生活に変えました。子育ては体力がいりますよね」

蝶野正洋さん

接し方に余裕

年齢を重ねてから子どもを持つことで、将来に戸惑いを感じる時期もあった。「この子が高校生になったら俺は何歳なんだ?」と、考えたこともある。もちろん、若いうちに子どもを持つ方がいいこともあると感じる。ただ、人生経験や仕事のキャリアがある分、子どもと接する時にも心の余裕が持てる。

「子どもが成長する過程って、見守る時期、自立させる時期、巣立つ時期があると知った。会社の若手やチームも一緒ですよね」「20~30代だと、親自身も社会で成長しているときだから、子どもの成長と映し鏡みたいになるんでしょう。40代は少し先にいるので冷静に見られる」

51歳の今、将来への思いも変わってきた。「40歳のときは、50歳というと一般的な定年まであと10年しかないと思っていた。でもいざ50歳になってみると、寿命を考えたらまだ先は長い。だから、色々不安になるより、俺自身が目標を持ってもっと頑張らなきゃいけないんだと思っています」

(文・大井田ひろみ 写真・瀬戸口翼)

この記事をシェア

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

SHARE

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

オススメ記事
RECOMMENDED

↑TOPへ