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「普通」を徹底的に突き詰めて 神木隆之介、「屍人荘の殺人」で主演

※本記事は2019年12月13日に朝日新聞デジタルで掲載されました。

個性的なキャラクターをものにするのも大変だが、あまり特徴のない役で存在感を出すのはもっと難しいだろう。それをやってのけるのが神木隆之介だ。13日公開の「屍人荘(しじんそう)の殺人」で、主演ながら「普通の大学生」に徹した。

数々のミステリーランキングで1位をとった今村昌弘の小説が原作。神木演じる大学生の葉村譲はミステリー愛好会に所属し、会長の明智恭介(中村倫也)の助手役だ。大学生探偵の剣崎比留子(浜辺美波)に誘われロックフェス研究会の合宿に参加することに。ペンションに集まった大学生や卒業生らは、思いがけない事態に見舞われて孤立、さらに殺人事件が起きる。

「明智です」が口癖の会長、お嬢様風でどこかずれている比留子、2人の「ホームズ」のキャラは強烈だ。そんな2人に振りまわされる「ワトソン」を演じるにあたり、神木は「一般常識や普通の価値観を大事にした」と言う。「僕は普通だよ、周りのキャラが濃くて異常なんだよ、と。比較対象として、葉村は常にいないといけない人だと思いました」と分析する。

葉村が引くからこそ、他の2人が際立つ。「面白い挑戦をさせてもらった。かみそうなセリフは、言いづらそうに言ってみるとか。それが普通じゃないですか」。観客の側に立つように、現実味を出す役割を果たした。それでいて言うべきところではびしっと決める、メリハリのきいた演技が確かな印象を残す。

緊迫した状況の中、美少女の比留子にデレデレするなど、コメディー要素も。「恐怖より下心の方が勝つんですね。モテたいとかチューしたいとか、強いと思います!」

初共演の浜辺について「周りを見ている頭の良い人。瞬発的に色々やってくれた」と言う。中村とは一昨年の映画「3月のライオン」で共演。「今回、本番で『どう来るの』と言われている気がして、僕も『さあ次どうしますか』と駆け引きのようだった。新しい世界に連れて行ってもらえる楽しさがあり、明智についていく葉村に近い気持ちでいられた」(神宮桃子)

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