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神尾楓珠、実在した20歳のsoulから学んだ「生ききる」姿勢

※本記事は2022年5月27日に朝日新聞デジタルで掲載されました。

人気上昇中の俳優神尾楓珠(ふうじゅ)さんが、27日公開の「20歳のソウル」で実在した人物を演じる。撮影中、常に感じていた思いや俳優という職業に対する考えとは。

《神尾さんが主役として演じた浅野大義(たいぎ)さんは、千葉県船橋市立船橋高校で代々受け継がれている応援曲「市船soul(いちふなソウル)」を作曲した人物。野球部の試合で演奏されると得点を呼ぶ「神応援曲」と呼ばれるように。所属した吹奏楽部顧問の高橋健一先生(佐藤浩市)のような教師を志して音楽大学に進んだ大義さんの体を、病魔が襲う。抗がん剤治療や手術をしたものの、20歳の若さで人生を断たれた》

君の曲、君のsoul、ずっと 「20歳のソウル」映画でも生きる

――脚本を最初に読んだ感想は

「すごい青春だなと思いましたし、もちろん、悲しいシーンもいっぱいありますが、読み終わったあとに、悲しさよりも強さみたいなものを感じる作品だと思いました」

――実在した人物を演じた感想は

「実在した人をちゃんと演じるのは初めてでした。やはり、今までの作品とは違うし、自分のやりたいことだけでなくて、大義くんを知っている人の『大義くん像』があるので、そこを大事にしなきゃいけないなと思いました」

――どういう像ですか

「すごくまっすぐで。好きなことにたいして周りが何を言おうと突き進んでいく強さがある人だろうなと思いました。ご家族や高橋先生から話を聞いて、イメージはすごくわきました」

――撮影中、佐藤浩市さんから学んだことはありますか

「やはり、現場の雰囲気です。浩市さんが現場に入られると、やはり締まりました。そのなかで冗談を言ってくださったことも。現場づくりで見せる姿勢というのは本当にすごいなと思いました」

「中途半端に生きている場合じゃない」

――屋上で走るシーンは大変でしたか

「大変でした(笑)。風が強くて、旗が20キロくらいあったのですが、旗を持ってられなくて。何回も走りましたね」

――劇中でトロンボーンを吹かれてますが、練習はどのようにされたのですか

「楽器自体が初めてでした。撮影前に2カ月間練習しました。意外と体力を使うんだなと思いました。一緒に市立船橋高校の吹奏楽部の練習にも参加したんです。柔軟運動や筋トレをされていました」

――演じた浅野大義さんから学んだ姿勢はありますか

「日常のありがたさを、撮影しているときにずっと感じていました。『中途半端に生きている場合じゃないぞ』と。この作品全体ですが、生ききるということだと思うんです。自暴自棄になるのではなくて、最後まで任されたことをまっとうする、好きなこととちゃんと向き合う姿勢。その生ききる姿にすごく刺激を受けました」

――2015年に俳優にデビュー。きっかけは

「きっかけは特になくて、新しいことに挑戦したかったんです。仕事という認識もなかったし、俳優という仕事が何をするのかすら分かっていなかった。本当に現場で学んでいった感じですね。慣れるまで、3年ぐらいはかかりました」

――役を演じるとき、自分に引きつけて演じるタイプですか。それとも、突き放して捉えますか

「後者ですね。自分に寄せるのはないです。途中からこういうやり方で試してみたら、うまくいきました」

――殻を突き破れた作品はありますか

「やっぱり、(体当たりで演じた、テレ東系列の)『恋のツキ』でしたね」

――今後、演じたい役は

「あんまり先のことは考えていないんです。自分でもどうなるんだろうって感じなんですが、いつまで自分が俳優として続けられるのかも分からないですし、自分の気持ちの問題もありますよね。楽しくないと、(俳優は)やれないんで」

――いま、楽しめていますか

「はい(笑)。楽しめています」

――「20歳のソウル」について、観客に伝えたいことは

「すごく前向きな気持ちになれると思います。悲しい物語ではありますが、背中を押してくれる作品です。これをみて、もう一度自分の生き方を見つめ直してもらえたらいいなと思います」
(聞き手・細見卓司)

かみお・ふうじゅ 1999年生まれ、東京都出身。2017年「兄に愛されすぎて困ってます」で映画デビュー。18年のドラマ「恋のツキ」や19年の「3年A組―今から皆さんは、人質です―」で注目を集める。「20歳のソウル」は全国で27日公開。

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