Presented by サッポロビール株式会社

臨場感楽しめるスタンド、非対称の両翼にブルペン 日本ハムの新球場

※本記事は2022年11月7日に朝日新聞デジタルで掲載されました。

来シーズンからプロ野球・北海道日本ハムファイターズの新本拠地となる「エスコンフィールド北海道」(北海道北広島市)が完成間近となり、このほど球場内の一部が報道陣に公開された。開閉式屋根付きの球場としては国内初となる天然芝が魅力なだけでなく、新球場ならではの特色も垣間見えた。

映える天然芝、日本ハムの新球場は95%が完成 来春オープンへ準備

球場内でひときわ目を引くのは、左翼側にある「TOWER 11(タワー・イレブン)」だ。11はファイターズから大リーグへと巣立ったダルビッシュ有、大谷翔平が在籍時に付けた背番号。大勢が通過する1階のコンコースに2人の投球フォームの壁画を用意した。縦5・5メートル、横7メートル。渋い色調で描かれた2人の真剣なまなざしに圧倒される。

球場を案内したファイターズスポーツ&エンターテイメントの小川太郎部長は「彼らの既成概念を打破するようなとりくみ、革新性、先進性など、いろいろな形で体現してきたことをリスペクトしている」。タワーにイレブンと名付け、象徴的な場所に壁画を常設した理由を語った。

壁画はアーティスト集団「OVER ALLs」が10日間で描いた。球場の各所にアートコンペで採用した若手作家の作品を展示する計画もある。

アートに限らず、新球場はこれまでの球場の概念を覆すような、多様な観戦体験を提供することをめざす。

「タワーイレブン」の最上階となる5階にはホテルがあり、メゾネットタイプの部屋も用意。部屋だけでなく、屋上からの観戦も可能だ。世界初という球場内の温泉やサウナ、1階にはフードホールもある。センターバックスクリーンのフィールドを一望できる場所にクラフトビール醸造レストランをオープンする。これらは通年営業とする。

バックネット裏の観客席も公開された。スタンド席全体がグラウンドに向かって緩やかにせり出しており、スタンド上層部でもグラウンドが近く感じられる。フィールドレベルの最前列にいたってはホームベースまでの距離がわずか15メートル。バッテリー間の距離より短い。「テレビでも野球の試合は見られるが、臨場感はテレビでは表現できない大事なポイント。球場に来たいという、ライブ体験を大事にしたくて、多くのお客様に最大公約数的に見やすくすることを意識した」(小川部長)

グラウンドに目を移せば、左翼と右翼のポール際に投球練習場のブルペンを設けた。試合だけでなく、救援陣の準備の様子を間近で見られる。両翼は左右非対称の構造とした。「球場にも個性があっていい」という考えでチーム側とも協議して決めた。現役時代外野手で、球団職員として新球場のPR業務に携わる谷口雄也さん(30)は「新球場は、ただただ、すごいなあ、選手がうらやましい、という思い。(非対称のグラウンドは)観客はクッションボールがどう転がるかを楽しめ、選手は恥ずかしくないプレーをしてくれるはず」と語った。
(能田英二)

この記事をシェア

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

SHARE

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

オススメ記事
RECOMMENDED

↑TOPへ