Presented by サッポロビール株式会社

全てに意味があるから「弥生、三月―君を愛した30年―」に主演、波瑠

※本記事は2020年3月27日に朝日新聞デジタルで掲載されました。

真摯(しんし)なまなざしでまっすぐに見つめられると、つい背筋が伸びてしまう。意志の強さに裏打ちされたまなざしには、そんな力がある。主演映画「弥生、三月 ―君を愛した30年―」(公開中)でも、そのまなざしは、いじめをする同級生をさとし、夢をあきらめた友を励ましていく。

作品は、彼女が演じる弥生と太郎(成田凌)の物語。高校生から中年までに起きた親友の死、結婚、離婚、不倫、震災など波乱の30年を描く。「家政婦のミタ」など人気ドラマの脚本を担ってきた遊川和彦の監督2作目だ。手だれのストーリーテラーだけに展開の巧妙さは半端じゃない。3月1日から31日までを1日ごとに、昭和のある年、次の日は平成のある年などと年を変えながら、ドラマを紡いでいく。

あまりの壮大さに「弥生役を背負える自信がない」と最初は断った。最終的に決断したのは、監督の情熱と純粋さに心を動かされたからだ。「監督が『なぜ弥生役が私でなければならないのか』を熱く語る中で、作品に対して変な計算をしない純粋さが見えてきて、この仕事はとても意味があると思うようになった」

30年のうち台本に書かれていない人生も想像しながら演じていった。「それぐらいのことをしないとやれない作品だった。頭も体も心もフル稼働させて弥生を演じ切りました」

弥生は自分の気持ちをまっすぐに通していく女性だ。「私も弥生と同じようにはっきり言う性格。そのことで弥生のように誤解を受けたり、損をしたりすることも」。相手役の成田は「柔軟で感覚的な人」。「私は全部に理由があると思っている理論派。自分と違うタイプの人と共演するのはとても新鮮でしたね」

今年29歳。ファッション誌のモデルで注目され、NHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインでブレーク、現在は映画やテレビドラマの主演作が相次ぐ。

30代に向けてどんな俳優に?

「なぜ、出演しようと思ったのかをきちんと説明できる作品、自信をもってみなさんに『見てください』といえるような作品に関わっていきたい」。真剣に仕事に向き合う、この人らしい答えが返ってきた。

(文・斉藤勝寿 写真・外山俊樹)



はる 1991年、東京都出身。主な出演映画に「アゲイン 28年目の甲子園」「コーヒーが冷めないうちに」「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」。NHKで5月放送予定の日台共同制作ドラマ「路(ルウ)~台湾エクスプレス~」に主演。

この記事をシェア

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

SHARE

facebookにシェア
twitterにシェア
tLINEにシェア

オススメ記事
RECOMMENDED

↑TOPへ